環境の適応
アルツハイマー病の人には、普段の大事にしている環境を提供してあげてください。アルツハイマー病が進んでいくと、より心の安定が必要になります。家族など、施設であれば顔なじみになった人と過ごす時間が、より心に安定を作るはずです。
逆にそういった心の拠り所が無い場合は、症状がより深刻化してしまいます。アルツハイマー病の治療と進行の予防において、環境の適応は非常に大切なことなのです。
アルツハイマー病になった方が一人でいると、被害妄想や幻覚などを起こしてしまうことが多くなります。四六時中、誰かと一緒にいるというのはさすがに無理がありますが、しかし一人でいる時間を長く作ってしまうと、患者の精神が非常に不安定となってしまいます。患者が一人でいる時間は、極力減らしたいものです。
アルツハイマー病であろうと何であろうと、気に入らなかったら怒鳴るような人は、患者に近づけないほうが良いでしょう。アルツハイマー病の症状が深刻化していると、患者は乱暴な言動を取ることも多くなってきますので、それだけ人と衝突することも多くなってきます。アルツハイマー病に対して理解がないと言い合いになることもあり、それでは泥沼となってしまうのです。
アルツハイマー病の治療と予防において、環境の適応には特に注意を払いましょう。悪い環境化におけば症状もそれだけ悪くなっていきますが、良い環境化におけば症状もあまり顔を見せなくなることもあるのです。